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あたまいっぱいの鹿のはなし:[8]January.2017- 赤木仁

二千九年一月から十二月までのお話はこちらです:1[ link ]

二千十年一月から十二月までのお話はこちらです:2[ link ]

二千十一年一月から十二月までのお話はこちらです:3[ link ]

二千十二年一月から十二月までのお話はこちらです:4[ link ]

二千十三年一月から九月までのお話はこちらです:5[ link ]

二千十四年一月から八月までのお話はこちらです:6[ link ]

二千十五年三月から二千十六年十二月までのお話はこちらです:7[ link ]

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右: そうよ そうしましょ
   ねえ 左もそう思うでしょ

左: それも好いかもしれない

右: あの葉っぱを食べに戻りましょう
   
ウ: それはだめなのです
   どこかへ行くことは出来ますが
   戻る事は出来ないのです

右: それじゃ コロニーへ帰れないの
   そんな感じはしなかったのに

ウ: そこが戻るべき所なら戻れませんが
   行くべき所なら行けるでしょう

右: 行きたい所へ行けるって言ったじゃない

ウ: ええ 戻りたい所と同じでなければ

中: わかった きっと言い方を変えればいいんだ

(一月)

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右: あそこへは 戻らなくてもいい

右: いいえ これではだめ
   そうよ あそこなんてなかったのよ
   これならどう

ウ: いいですね それならいいですよ
   そうしましょう
   ですが 一つ在るんです
   困ったことが

右: 何
   
中: 何 何

左: 何かしら

ウ: あそこがなくなると
   もう二度とあそこと言ってはいけないのです
   もう二度と使わないで下さい

   今からです

(四月)

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右: 左と中の望みはかなったでしょう
   でも私のはかなえられてない
   ウサギリス

ウ: その あなたの為に向っています
   ほら あそこを出てからずっと
   下がっているでしょう

中: 一度もわかれてない尾根って変だ

左: そう ずっと切れずに一本
   匂いも違う
   
ウ: そこなんです 跡切れない畝だからこそ
   違う場所へ行けるんです
   開けた所がこの先に広がっている
   あそこの匂いです

(五月)

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左: 原っぱが広い

右: なつかしい匂い

中: かすかにね

右: 帰れるのね

左: でも そんなに近くかしら

中: あの平たい丘を越した
   向こうぐらに居るような

右: それも いっぱい

左: ここ とても歩きやすい

ウサギリスの耳をひっぱって

右: さあ 行きましょう
  
ウ: 無言で付いて行く

(八月)

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身を隠して林からうかがう三つ頭

右: 居る

中: 居ますね いっぱい

ウ: 声をかけてみては
   同じくらいの子たちですよ

左: それじゃ わたしが

右: 待って 変じゃない いっぱい居るのに
   みんな一つ頭ばかり
   二つも三つも四つも五つも
   居ないじゃない

左: 良く見て あそこに二つ頭が

右: だめ 体が重なってるだけ
  
中: まさか 一つ頭だけのコロニー

後ろから
ねえ 君たち 頭が三つもあるの

(十一月)

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つづく>>>
(次回第66話に続く8-6/ 無断転載禁止)
赤木仁オリジナルBOOKリスト
[作品集]:
「洪水の前」というこの本のタイトルはアンドレ・カイヤット監督1954年の映画からインスパイヤされました
これまでの赤木仁のオリジナル油彩やえんぴつデッサン、ドローイングなどが収録されています

[タイトル]:洪水の前 [画集]
[著者]:赤木仁
[装幀]:中島英樹
[出版社]:美術出版社 _2000/04/20 出版
[定価]:本体価格3000円
[単行本]: 103ページ
[I購入方法]:
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場
※webmagazinekimbou:on line store[>>>link]

[絵巻物語]:
[タイトル]:AZUCHI あたまいっぱいの鹿_ハードカバー
[著者]:赤木仁
[装幀]:有山達也
[出版社]:リトル・モア_2007/11/04 出版
[定価]:本体価格2000円
[仕様]:A5ヨコ変型/96ページ/上製

[I購入方法]:
※リトルモアブックス
www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=677
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場

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赤木仁プロフィール:
石川県生まれ。画家、金子國義に師事。88年に独立。展覧会での作品発表を中心とする。2014−2015年は、ヤマタノオロチを題材にした"2014年美連協大賞受賞展覧会「スサノヲの到来 −いのち、いかり、いのり」"で、足利市立美術館、DIC川村記念美術館、北海道立函館美術館、山寺芭蕉記念館、渋谷区立松濤美術館と5つの美術館を巡回した。2012年は、チャリティ広告展「日本繁昌大展覧会」でまねき猫のマークで参加している。初個展以来、10才までの銅山跡での体験を神話化した作品を描き続けている。他にも雑誌、新聞、単行本、Tシャツデザイン、マークデザインなど、色々な表現方法で活動中。作品集として画集「洪水の前」美術出版社が、またお話と絵を担当した絵巻物「AZUCHI あたまいっぱいの鹿」をリトルモアから出版、発売中。
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