赤木仁ファイルTOPページ 赤木仁ショート・プロフィール webmagazine kimbou 赤木仁ファイル 山口由起子ファイル
あたまいっぱいの鹿のはなし:[7]January.2015- 2016December. 赤木仁

二千九年一月から十二月までのお話はこちらです:1[ link ]

二千十年一月から十二月までのお話はこちらです:2[ link ]

二千十一年一月から十二月までのお話はこちらです:3[ link ]

二千十二年一月から十二月までのお話はこちらです:4[ link ]

二千十三年一月から九月までのお話はこちらです:5[ link ]

二千十四年一月から八月までのお話はこちらです:6[ link ]

---------------------------------------------------------------

中: あなたが持っているそれは何
   
ウ: これは命有るモノです

集めた糸の先をその生き物に巻き付けて
機械に据え付け廻し始めた

   グルグル グルグル

ウ: しばし お待ちいただけます
   
右: またなの

ウ: あー でも もうお湯からは出て下さい

   クルクル クルクル

逆上せた三つはなかなか緑の上に
立つことが出来なかった が 漸く湯から上がり
地面にへたりこむ

右: 左が目覚めない

中: 意識もないようです


ウ: 今 しばらく お待ち下さい

   グルングルン グルングルン

中・右: あなたが巻いてる その中心は
     何なんですか(はっきり言ってください)
  
(三月)

---------------------------------------------------------------

ウ: それは   の繭です 

右: 何て言ったの 声が小さくて聞こえない
   
中: もっと大きな声で言って下さい

ウ: それの名前は息を吐いてはいけないのです
   吸い込みながらでないと

右: わかった それはどんな姿なの 大きさは

ウ: 姿は   です 大きさは   です

中: それについて全て
   吐いてはいけないんですね

ウ: わかって頂けましたか

   丁度こちらも巻き戻し終えました 
   では これはここに置いて と
   如何ですか 左さんの様子は
   そろそろ 目覚める頃ですが

右: あ あう ああ あう あう あ あ
  
(十月)

---------------------------------------------------------------

うせぶ左 新月の目
すきまの黒目は まだ ままならない

左: どうなったの 眠っていた 

右: 気が付いた
   
左: 眠っていたの

中: 気を失っていた
   眠っているようには見えなかった

左: 起きているの まだ 眠っているんじゃないの

右: あなた あたし達が見えていないの

左: ぼんやり見えている

右: なんだか話し方が左らしくない

左: そうかしら

右: だってあなた男頭なのよ

左: そうだったかしら 初めからこんな話し方だったわ

中: いいや 僕の様ではなかったけれど
   今の様な話し方でもなかった

左: そんな あたしは ずっと こんなだったはず

(十二月)


---------------------------------------------------------------

右: 何を言ってるの 生まれた時から
   あなたは男頭で あたしは女頭
   
左: そうだった? でも今は

中: どうしてこんなことが

右: ウサギリス あなた知ってるでしょ
   こうなったわけを

ウ:     は 生まれた時は どちらでもないんです
   糸を吐いて 繭を作って
   その中に居る間に
   どちらになるかが決まるんです
   ですから 左さんも 
   なるべき頭に なったんだと思われます


(二千十六年九月)
---------------------------------------------------------------

中:     の所為いでこうなったの

右: 元には戻れないの そうなの
   
ウ: 

中: それじゃ女頭に挟まれてたってことか
   そんな感じはしなかったのに

右: どうしてこう 次から次と
   あたしの望まない事ばかり起こるのかしら
   元はと言えば 左に言いくるめられて
   ついて来てしまったから
   そうだ 中も女頭になればいい
   もう一度あそこへ戻って
   中も葉っぱを食べなさいよ。


(二千十六年十二月)
---------------------------------------------------------------
つづく>>>

赤木仁オリジナルBOOKリスト
[作品集]:
「洪水の前」というこの本のタイトルはアンドレ・カイヤット監督1954年の映画からインスパイヤされました
これまでの赤木仁のオリジナル油彩やえんぴつデッサン、ドローイングなどが収録されています

[タイトル]:洪水の前 [画集]
[著者]:赤木仁
[装幀]:中島英樹
[出版社]:美術出版社 _2000/04/20 出版
[定価]:本体価格3000円
[単行本]: 103ページ
[I購入方法]:
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場
※webmagazinekimbou:on line store[>>>link]

[絵巻物語]:
[タイトル]:AZUCHI あたまいっぱいの鹿_ハードカバー
[著者]:赤木仁
[装幀]:有山達也
[出版社]:リトル・モア_2007/11/04 出版
[定価]:本体価格2000円
[仕様]:A5ヨコ変型/96ページ/上製

[I購入方法]:
※リトルモアブックス
www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=677
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場

※webmagazinekimbou:on line store[>>>link]


赤木仁プロフィール:
石川県生まれ。画家、金子國義に師事。88年に独立。展覧会での作品発表を中心とする。2014−2015年は、ヤマタノオロチを題材にした"2014年美連協大賞受賞展覧会「スサノヲの到来 −いのち、いかり、いのり」"で、足利市立美術館、DIC川村記念美術館、北海道立函館美術館、山寺芭蕉記念館、渋谷区立松濤美術館と5つの美術館を巡回した。2012年は、チャリティ広告展「日本繁昌大展覧会」でまねき猫のマークで参加している。初個展以来、10才までの銅山跡での体験を神話化した作品を描き続けている。他にも雑誌、新聞、単行本、Tシャツデザイン、マークデザインなど、色々な表現方法で活動中。作品集として画集「洪水の前」美術出版社が、またお話と絵を担当した絵巻物「AZUCHI あたまいっぱいの鹿」をリトルモアから出版、発売中。
許可のない転載、再発行を禁止します。LINKはTOPからお願いします。その前にご一報願います
No reproduction or republication without written permission.If you wish to link to this website please E-mail us first.
お仕事御依頼お待ちしております
kimbou.lotus [ at ] gmail.com>>>