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あたまいっぱいの鹿のはなし:[1]January.2009-December.2009 赤木仁:

あたまいっぱいの鹿のはなし:[2]January.2010-December.2010 赤木仁:

あたまいっぱいの鹿のはなし:[3]January.2011-December.2011 赤木仁:

あたまいっぱいの鹿のはなし:[4]January.2012-December.2012 赤木仁:

あたまいっぱいの鹿のはなし:[5]January.2013-September.2013 赤木仁:

あたまいっぱいの鹿のはなし:[6]January.2014-August.2014 赤木仁:

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湯につかろうとする鹿

ウ: 探しモノがありますので  
   私が戻るまで湯穴から出ないで下さい
   いいですか 入ったら 出られるようになるまで
   出ないで下さい

右: それはいつ

ウ: 一度きりしか入れないのですから   
     
   三つが入ろうとしている穴は
   ふち一杯まで湯を湛えて
   入れば溢れそうで
   鹿だったら五十は入れる広さで
   ほぼ丸の形をしている
   湯気ではっきりとはしないが
   穴の中心部には塔が
   立っているようだ

(一月)

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鹿は恐る恐る近付き
水面に立つ湯気の先に見える
湯底の深さを思ってみる

右: 深いの  

中: いや これなら足が付く
   ウサギリスの口ぶりからも
   それほど深いとは思えない

中にうながされて同意
えい と飛び込む
首の中頃までの深さだ

右: ああ良かった

中: でも このままじゃいけない
   もっと足を折って 左の頭がすっぽり
   水の中に入る様にしなければ

鼻先を出す様にして潜り込む

     
右: こんなことをして左が溺れてしまったら

(二月)

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繭に包まれた左も一度は水中に
でも浮き上がろうとする
右と中は協力しあって 湯中へ引きもどす

右: あたしとあなたの間に左が居たら
   上から抑え込めるのに  

中: 繭の中の左は 溺れないのかな

ウ: それはないでしょう
   左さんが水を飲んで溺れたら
   あなたたちも 溺れますよ
   どうです 体の中に水が入って来る
   気配が有りますか

かろうじて湯から出ている耳元へささやく

ウ: あー まだ お湯からは出ないで下さい
     
右: いったいどれくらい浸かっていればいいの
   体も頭もぼんやりしてきたわ
(三月)

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ウ: ここのはそれほど熱くはないでしょ
   もうしばらくそのままで居て下さい

鹿達に見えない所で 何だかわからない
角ばった物を どこかから持って来て
せっせと形を変えるのにいそがしい

繭の左が浮かび上がらなくなったので
頭半分を湯面から出して

中: ああ のぼのぼする

右: ああ ふれふれする

ウ: おまたせ
   いかがです 温かい水は
   飲んでしまってもかまわないのですが
   飲む為の水ではありませんよ

ウ: 注意が好き    

(四月)

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(五月休み)

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ウ: おまたせ おまたせ
   では始めましょうか
   さあ さあ こちらへ こちらへ
   あなた達が入ってから
   天道さまが拳一つ動かれた
   よい頃でしょう
   繭のお頭をこちらへ向けて下さい
   そうです そうです
   私が触れるように

繭をまさぐるウサギリス
天辺からよく水に濡れた首元まで
何かを探して執拗に

ウ: ありましたよ
   ほら ほら ここに ここに

それはとても細い ほつれのようなもの
その先を握って 繭の廻りを
二度三度 さらに十度ほども繰返す
鹿の鼻先から 後足の踵までありそうな
糸が現れた
  
(六月)

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ほつれた糸の先を握って引き摺って
木で出来た何かに器用に結び付け
大振りな動きで廻し始めたウサギリス

右: 左の繭から糸が引き出されてゆく 

中: 搦め取られた糸が集まって大きくなってゆく
   左を包んでる繭が小さくなった
   
右: 願っていたこと
   左の頭がうっすらと見える 顔がわかる

糸の操るのがどんどん早くなる

中: なくなった でも まだ 口から
   するする 糸が出る

右:  あら 糸の先に何か付いている
   口から それが出ようとしている

ス ポン

ウ: 手繰り寄せた糸が途中で切れなくて
   本当に良かったです

  
(八月)
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あたまいっぱいの鹿のはなし:[7]につづく(無断転載禁止)[link]>>>

赤木仁がグループ展に参加します!


東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデンの、21_21 DESIGN SIGHTで、3月15日より、21_21 DESIGN SIGHT企画展「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」が開催されます。展覧会ディレクターには、アートディレクターとして時代を牽引し続ける浅葉克己氏。本展では、グラフィックデザインを通して人々を楽しませ続けてきた浅葉氏が国内外から集め、その活動のインスピレーションのもととなっている資料やファウンド・オブジェとともに、浅葉がそのセンスにおいてユーモアのシンパシーを感じているデザイナーやアーティストの作品を一堂に集めます。


21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
[TEL]:03-3475-2121

[会期]:3月15日(金) - 6月30日(日)
[開館時間]:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
* 5月25日(土)は六本木アートナイト2019 開催にあわせて23:30まで開館延長(入場は23:00まで)
[休館日]:火曜日(4 月30日は開館)
[入場料]:一般1,100 円、大学生800 円、高校生 500 円、中学生以下無料

[展覧会ディレクター、グラフィックデザイン]:浅葉克己
[企画協力]: 中村至男、鈴野浩一/トラフ建築設計事務所、上條桂子
[参加作家 ]:赤木 仁、anothermountainman(スタンリー・ウォン)、ロン・アラッド、浅葉 春、福田繁雄、ジャンピン・ヘ、日比野克彦、井上嗣也、金子國義、クリヨウジ(久里洋二)、トミー・リー、中村至男、玉屋庄兵衛、上野真未、ディーン・プール、ダミアン・プーラン、、サイトウ・P・ヒロヒサ、和田 誠、渡辺紘平、ジョン・ウッド&ポール・ハリソン、他
[関連URL]:www.2121designsight.jp/program/humor/index.html



赤木仁オリジナルBOOKリスト
[作品集]:
「洪水の前」というこの本のタイトルはアンドレ・カイヤット監督1954年の映画からインスパイヤされました
これまでの赤木仁のオリジナル油彩やえんぴつデッサン、ドローイングなどが収録されています

[タイトル]:洪水の前 [画集]
[著者]:赤木仁
[装幀]:中島英樹
[出版社]:美術出版社 _2000/04/20 出版
[定価]:本体価格3000円
[単行本]: 103ページ
[I購入方法]:
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場
※webmagazinekimbou:on line store[>>>link]

[絵巻物語]:
[タイトル]:AZUCHI あたまいっぱいの鹿_ハードカバー
[著者]:赤木仁
[装幀]:有山達也
[出版社]:リトル・モア_2007/11/04 出版
[定価]:本体価格2000円
[仕様]:A5ヨコ変型/96ページ/上製

[I購入方法]:
※リトルモアブックス
www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=677
※LIBRAIRIE6 / シス書店
librairie6.shop-pro.jp/
※有名オンラインショップ
※赤木仁個展会場
※webmagazinekimbou:on line store[>>>link]



赤木仁プロフィール:
石川県生まれ。画家、金子國義に師事。88年に独立。展覧会での作品発表を活動の中心とする。1993年初個展。1994年青山・スパイラルガーデンにてクシシュトフ・キェシロフスキ監督作品・映画「トリコロール」三部作グループ展に参加。1996年新宿・伊勢丹ファインアートサロングループ展「天使と妖精たちのクリスマス展」同展記念カタログ参加。1997年新宿・伊勢丹美術画廊 グループ展「金子國義と友の会『書物の中へ』」。同展記念カタログ参加(書肆ひぐらし 刊)。1999年新宿伊勢丹百貨店新館8F ファインアートサロンにて個展「洪水の前 AVANT LE DELUGE」。2010年新宿・伊勢丹本館5階 インテリア/特設会場グループ展「PIGGY BANK COLLECTION」。2012年は、新宿・伊勢丹と日本橋・三越本店、および銀座三越ウィンドウにてチャリティ広告展「日本繁昌大展覧会」でまねき猫のマークで参加している。2014-2015年は、ヤマタノオロチを題材にした"2014年美連協大賞受賞展覧会「スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり」"で、足利市立美術館、DIC川村記念美術館、北海道立函館美術館、山寺芭蕉記念館、渋谷区立松濤美術館と5つの美術館を巡回した。初個展以来、10才までの銅山跡での体験を神話化した作品を描き続けている。他にも雑誌、新聞、単行本、Tシャツデザイン、マークデザインなど、色々な表現方法で活動中。作品集として画集「洪水の前」美術出版社から、またお話と絵を担当した絵巻物「AZUCHI あたまいっぱいの鹿」をリトルモアから出版、発売中。


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